徴用工問題で、日韓がいよいよ抜き差しならない状況へ陥ろうとしている。12月24日、韓国訴訟団が新日鉄住金に提示した回答期日が過ぎた。原告代理人は期日を過ぎた場合、韓国にある同企業の資産を差し押さえると言っていた(産経新聞)。
最高裁勝訴に沸いた元徴用工の原告側(KBSより:編集部)
しかし、新日鉄住金側からの回答はなく、原告側が今週中にも資産差し押さえの手続きを行う可能性が出てきたからだ。新日鉄住金が韓国内に持つ資産には、同社と韓国鉄鋼大手ポスコの合弁会社の株式(約11億円相当)や3千件以上の知的財産権などがある。外務省幹部は「差し押さえを行うのは韓国の公権力だ。ここが動いた場合には、われわれも動かざるを得ない」としている(産経新聞)。
よって、韓国の公権力が原告に同調し、韓国側の公権力が実際に執行するかどうか、が焦点となる。
この訴訟は韓国の私人が日本の私企業を相手に起こした訴訟ではあるが、言うまでもなく実質的な争いは日本政府対韓国政府である。しかし、この争いは容易に収拾がつくとは思えない。それはこの判決がこれまでとは全く違い、両国にとって単なる意地の張りあいではなく、「自国の根幹に関わる問題」だからである。
1. この判決の真の問題点
安倍首相は11月1日に国会でこれまで日本政府が使ってきた「徴用工」の代わりに「旧朝鮮半島出身労働者」を使うと述べた。つまり、新日鉄住金の原告は募
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