オーディオ(スピーカー、ヘッドフォン)の名門Boseが新しいウェアラブルSDKを立ち上げて、拡張現実(augmented reality, AR)に手を染めたのは3月だった。そして近ごろやっと製品市場化のめどが立ち、最初のヘッドセットを来月発売することになった。
でも、ARという言葉に釣られるのは禁物。そのFramesと呼ばれる製品は、いかにもBoseらしく、あくまでも“オーディオによる”拡張現実だ。つまりそれはサングラスのような形はしているけど、ヘッドアップディスプレイはない。むしろそのねらいは、すごく没入的なオーディエンス体験をユーザーに提供することだ。
このハードウェアは、頭の動きを捉える9軸モーションセンサーとAndroidまたはiOSデバイス上のGPSにより、ユーザーがどこにいてどっちを向いてるかを検出する。そして位置や方向の変化に応じてオーディオを内蔵ヘッドフォンへ注ぎ込む。
このグラスには、イヤーバッドや骨伝導ではなく、小さなスピーカーグリルがある。だからユーザーには環境音も聞こえる。そのことは、良くもあり、悪くもある。耳を完全に覆うヘッドフォーンのように完璧なオーディオは楽しめないが、まわりによく注意することはできる。
さて肝心のコンテンツだが、その発表はまだない。それは来年からだ。でも同社によると、ゲームや学習、旅行情報などが提供されるら
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