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40歳は山の頂

私が安岡正篤先生と並んで私淑する、明治・大正・昭和と生き抜いた知の巨人である森信三先生は『修身教授録』の中で、次のように述べておられます--人生を山登りに喩えますと、四十歳はちょうど山の頂のようなもので、(中略)山の頂に達すれば、わが来し方を遙かに見返すことができるとともに、また今後下り行くべき麓路も、大体の見当はつき始めるようなものです。
私自身よく知らなかったのですが、「中年の危機(midlife crisis)」という言葉があるようです。上記の通り、自分の来し方行く末に思い巡らせる時、40歳位になれば後の人生がある程度見えるということでしょう。仕事においては、それなりの実績を上げた人の方が「あぁ、サラリーマンとして自分は駄目だ。この程度しか出世も出来なかったし…」といったふうに考えて、40代で一種の鬱になって行くような人が結構いるらしいのです。イタリア・フィレンツェ出身の大詩人、ダンテ・アリギエーリ(1265年-1321年)の大作『神曲』の中に、「人生の旅のなかば、正しい道を見失い、私は暗い森をさまよった」とあります。これ正に中年の危機、ミッドライフ・クライシスの描写かもしれません。
あるブログ記事(16年2月13日)では「40歳になってようやくわかる8つのこと」として、①40歳は、会社の中で出世ができるかどうかが、ある程度見える/②40歳は、肩書ではなく何をやったかだ、と知

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