近年、少子化の影響により、後継者が見つからないという中小企業が増加しています。事業承継がスムーズにいかないため、経営者が引退できずに高齢化している状況です。
親族や社員・役員などから後継者となる人が決まらない場合、M&Aを利用しての第三者承継に踏み切る企業も増えていますが、まだ敬遠している人も少なくありません。そこで今回は、会社売却による事業承継のメリット、デメリット、リスクなどを見ていきましょう。
M&Aはマネーゲーム?
M&Aというと、"マネーゲーム"というイメージを持つ方も多いかもしれません。たしかに、1990年代のバブル崩壊後、割安となった日本企業をめがけて買収を仕掛ける"ハゲタカファンド"が取りざたされたこともありました。しかし近年では、きちんとした交渉の場を設けて、双方の合意のもと円滑な事業承継を実現する例も増えています。
また、家業として長年事業を続けてきた経営者の中には、「家業を売却するなんて、先代に申し訳がたたない」「周囲に知られたら恥ずかしい」と考える方もいるようです。長年勤めてくれた従業員の処遇に悩む方もいるでしょう。しかし、後継者が見つからないままでは、いずれにせよ自分の代で家業をたたむという選択肢を選ばざるを得なくなるのです。家業をたたむくらいであれば、事業意欲のある第三者の手にゆだねて新たな成長ステージの扉を開くほうが、会社や
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