ダメな議論
新版 ダメな議論 (ちくま文庫) [文庫]
飯田 泰之
筑摩書房
2018-11-08
「なんて、ナイスな文庫化なんだろう」
これが率直な感想である。飯田泰之先生の『ダメな議論』(光文社)が、筑摩書房にて文庫化された。この本はもともと、12年前に光文社新書としてリリースされ、好評を博していた。
自戒を込めて言うのだが・・・。
いや、この本を読んで猛反省したのだが・・・。
世の中はダメな議論だらけである。
SNS上の論争(のようなもの)もそうだが、国会にしろ、テレビの討論番組にしろ、会社での会議にしろ、ダメな議論であふれている。議論する前提や目的がそもそもずれていたりもする。
議論の決着、YESかNOか、勝ちか負けかを過度に決めようとするのもナンセンスだと私は日々、考えている。問題は難しいが故に、長年解決されていないのだ。議論は積み重ねることにも意味がある。
本書では「ダメ」を見抜く5ポイントを提唱している。
1.定義の誤解・失敗はないか
2.無内容または反証不能な言説
3.難解な理論の不安定な結論
4.単純なデータ観察で否定されないか
5.比喩と例話で支えられた主張
…..5などは私、特に当てはまりそうだ。そして、独裁者が使いがちな話法でもある。
本書にはまるでドリルのように、よくありがちな「ダメな議論」の例文が掲載されている。5つのポイントを使いこなす
コメント