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豪州の外国人労働ビザと比べると見えてくる入管法改正案の狙い — 江川 純世

経済ニュース
国会で議論されている政府与党提案の入管難民法改正案の内容と、現行の技能実習制度の惨状を見ると、入管法改正の狙いが見えてくる。さらに私が住む豪州の移民制度の根幹である海外人材活用のためのビジネス・ビザ、TSS(Temporary Skill Shortage)ビザと比較してみれば、日本政府の狙いは一目瞭然である。
中国化が進むシドニー北部Chatswood(Airbnbより)。中国系住民が34%を占める。中国系永住権保持者の中で英語があまり喋れない/全く喋れない人は 32%にも上る。
 
結論から述べる。
1.この法案の目的は技能実習性を、業界の要請に基づき「特定技能1号」にスライドさせ、低賃金で働かせることが目的である。その証拠に、政府は技能実習生として3年以上の経験を積んだ外国人は「特定技能1号」の試験を免除するという“抜け道”を示している。
この「特定技能1号」を使えば派遣法における「3年勤務したら正社員に登用しなくてはならない」というルールは骨抜きになり、日本人労働者の仕事は減り、賃金も下がる。特定技能の在留資格は人手不足が前提なので、不足が解消したら在留できない可能性もある。これはいつでも首を切り、母国に送り返せることを意味する。雇用契約の更新拒否が恣意的にされる可能性もあり、外国人労働者は派遣法下の日本人労働者よりも厳しい状況に置かれることになる。
2.一方「2

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