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人質問題の言説:自己責任ではなく無責任(特別寄稿)

経済ニュース
朝日新聞は朝刊のオピニオン面で「耕論」と題した企画を2007年から展開している。「3人の論者が、世の中を深く、複眼で読み、個別のテーマを多層的に考える」(朝日公式サイト)――それが企画の趣旨らしい。
日本記者クラブサイトより:編集部
去る11月20日付朝刊紙面に掲載された「耕論」は題して「冷たい自己責任論」。以下の三名によるインタビュー記事だった。
■「頼らず孤立」強いる社会 村尾政樹さん(公益財団法人「あすのば」事務局長)
■「下」たたき、自己愛満たす 和田秀樹さん(精神科医)
■ 救済には制裁、江戸期から 木下光生さん(奈良大学教授)
最後の見出しは説明を要するであろう。木下教授の記事はこう始まる。
安田純平さんが解放されたとき、「謝れ」との圧力が社会にあると感じる一方で、「政府が邦人を救うのは当然だ」という意識は希薄に見えました。根底にあるのは、困った人への公的救済に冷たい自己責任の価値観でしょう。日本社会の冷たさを改めて映した事件だと思います。/こうした「自己責任社会」の起源はどこにあるのか。(中略)江戸時代の史料を探して実態を調べました。見えてきたのは、日本が当時から自己責任をよしとする社会だったことです。/一般に、江戸時代は相互扶助の社会だった、と言われます。(中略)ただしよく見ると、救済には社会的制裁が伴っていました。
その上で「江戸から明治へ、敗戦を経て今の憲法体制

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