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韓国大法院判決と日本の憲法学の「憲法優位説」

経済ニュース
『現代ビジネス』さんに「日本の憲法学は本当に大丈夫か?韓国・徴用工判決から見えてきたこと」という拙稿を掲載していただいた。
日本国内では韓国大法院の判断に批判的な論調が大半だが、日ごろから日本政府に批判的な弁護士や学者の方々は、日韓請求権協定を見直すべきだ、と主張する。一貫性を保つためには、仕方がないのだろう。
今回の事件は、日本の憲法学で通説であり、日本の法曹界では絶対的真理のように信じられている「憲法優位説」について考え直してみるのに、いい機会だ。
樋口陽一氏と韓国大法院前で勝訴にわく原告(www.info-g.co.jp、KBSより:編集部)
『現代ビジネス』拙稿では芦部信喜・元東大法学部教授を引用したが、ここでは樋口陽一・元東大法学部教授を引用してみたい。樋口教授は、憲法と条約の関係について、次のように述べた。
「A説は、憲法の国際協調主義的側面をより強調して、「主権」を国際的制約をかぶったものとして理解し、憲法と条約の形式的効力関係につき、条約優位説をとるにいたる。B説は、「主権の維持」の側面を強調し、憲法と条約の関係について憲法優位説をとる。C説は、さらにすすんで、「主権」の標識として形式上の自己決定の保障だけでなく、実質的な独立性までを要求し、日米安全保障条約のもとで日本国の「主権」が侵されている、と考える。A説の背景には、つきつめていくと、国際法すなわち西洋「文明」

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