オーストリア連邦軍(Bundesheer)の退役陸軍大佐(70)が過去20年間以上に渡りロシア側にさまざまな情報を流していたことが判明し、セバスティアン・クルツ首相は9日、急きょ記者会見を招集し、説明に追われた。
ロシアのスパイ活動を批判するクルツ首相(右・クナセク国防相)(2018年11月9日、連邦首相府公式サイトから)
マリオ・クナセク 国防相を伴って会見に現れたクルツ首相は退役陸軍大佐がロシア側に情報を提供していたという報道内容を認め、「スパイ活動は如何なる状況でも容認できない」と指摘、検察当局が元大佐に対し軍事情報の洩えい容疑で捜査を開始したこと、モスクワ側に説明を求めていることなどを明らかにした。
5年前に退役した元大佐がどのような情報をモスクワに流していたかは今後の調査を待たなければならない。オーストリアのメディアによれば、元大佐はロシア側から報酬として30万ユーロを得ていたという。金銭が目的で政治的、思想的な背景はなかったという。
ロシアのスパイ活動はオーストリアにとって珍しい出来事ではない。冷戦時代からオーストリアは地理的に東西両陣営の中間に位置していることもあって欧米と旧ソ連・東欧共産圏の間でスパイ合戦の舞台となってきた。
今回の出来事では、「誰が」、「なぜこの時にメディアに流したか」という点に関心が集まっている。先ず「誰が」だが、クナセク国防相は記者会見で、「数
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