入学試験にしろ資格試験にしろ、試験対策として極めて重要なことは「捨てる勇気」を持つことだ。
人間は、将来の時間に関して甘めに見積もってしまう傾向がある。
「論文を完成させるのにどのくらいの期間が必要か?」と大学院生に尋ねた心理学実験では、実際に要した日数が当初の見積もりの2倍近くになった。
これを「プランニングの誤謬」という。
試験当日までに膨大な時間と日数があると思っていても、現実に計算すると驚くほど少ないものだ。
試験に出題されない分野や、出題されても合否にほとんど影響のない分野は、思い切って「捨てる勇気」が必要だ。
Himalaya 音声配信でも話したが、大学受験の時、英国社の3科目受験にも関わらず「漢文」を完全に捨てて合格した友人がいた。
合格には捨てる勇気が必要(荘司雅彦のコミュニケーション講座)
私自身、漢字の書き取りのような配点の低いものは一切勉強しなかったし、当時の東大日本史では山川の教科書に書かれていない知識は不要だったので、教科書以外の知識は一切勉強しなかった。
理屈では「捨てる勇気」がわかっていても、模擬試験の偏差値という邪魔者が入ってくる。
入試の一般的な模擬試験では、レベル1からレベル10まで難易度や範囲が満遍なく出題される。
レベルや範囲が偏ると、受験生の正確な立ち位置が把握できなくなるからだ。
レベル1の問題ばかりを出題したら、受験生のほとんどが満点
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