来年の消費税引き上げで「複数税率」が導入される見通しだが、これは「軽減税率」だけではない。酒税・タバコ税・揮発油税などの個別消費税は今すでに複数税率であり、今回の税法改正で「重課税」になる。たとえばビールの税率は、アサヒの「スーパードライ」の場合、本体価格132円に酒税77円かかり、その合計価格209円に8%の消費税が課税されている。これが消費税10%になると230円、本体価格に対して74%課税される。
このような個別消費税(物品税)は、かつては広範にあった。その税率も、貴金属は30%、普通自動車は23%、冷蔵庫は20%などまちまちだったが、1989年に消費税の導入によって廃止された。このとき大蔵省が消費税のメリットとして宣伝したのが、税務当局の裁量で税率が変わる物品税より、一律の消費税のほうが簡素で透明だということだった。
これはその通りなので、本来は酒税や揮発油税も消費税に含めるべきだったが、消費税率を一律にするためには例外としてやむをえない面もあった。しかし消費税が複数税率になると、そのメリットは失われ、酒税などだけが「内税」で、その税込み価格に消費税が課税される二重課税の不公平性が残る。
どうせ複数税率にするなら、酒税も揮発油税もタバコ税も消費税と合算し、外税表示にすべきだ。これによってビールの税率74%に対して、ウイスキーは30%、日本酒は24%と税率の差が歴然とする。揮
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