ジャマル・カショギ記者の殺害をめぐりサウジのムハンマド皇太子とトルコのエルドゥアン大統領が厳しく争っているが、この争いは、オスマン帝国の滅亡から不在だったイスラム教スンニー派の盟主をめぐる最終決戦なのである。これは、安田純平氏の事件を理解するためにも有用なので、拙著「世界と日本がわかる 最強の世界史」などから抜き出して、ミニイスラム教帝国史を紹介しよう。
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いまや青息吐息のイスラム国(IS)の指導者はカリフという肩書きを名乗っている。アラビア語でハリーファ(継承者)というイスラム教世界の世俗を超越した最高指導者のことだ。よく使われる王者の称号であるスルタンやアミールより格上だ。
現在では、モロッコの国王が同義のアミール・アル=ムーミニーンを名乗っているが、普通にはオスマン帝国のスルタンがカリフでもあると称していたのが最後とみなされている。
7世紀頃の中東は、東ローマ帝国とササン朝ペルシャの二大勢力に挟まれていた。この対立のために地中海とインド方面の通商路が遮断されたので、シリアからアラビア半島の西部をイエメン方面に至るルートが栄えた。
聖地メッカの中心部(Wikipedia:編集部)
この道の中間で栄えたカーバ神殿を中心とした宗教・商業都市がメッカであり、覚醒した市民たちが、ユダヤ教やイスラム教の影響のもとに創り出した宗教がイスラム教である。
ムハンマド没後、4代目までを正統カ
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サウジとトルコがイスラム盟主をめぐり最終決戦!
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