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心眼を開く

株式会社経済界より『心眼を開く』という本を上梓しました。明日26日より全国書店にて発売が開始されます。
本書は「北尾吉孝日記」を再構成したもので、2008年9月に上梓した第1巻『時局を洞察する』から数えて11巻目に当たります。
此の日記自体は、2007年4月12日よりツイッター的な形で執筆し始めており、内容も様々な分野に拡大しています。
今回は、本書のタイトルを『心眼を開く』としました。心眼とは辞書的に言えば、物事の真の姿をはっきり見抜く心の働きということです。私流に心眼を解釈すると、此の心眼には二つの大きな働きがあると考えています。
一つは自己すなわち自分自身の本当の姿を見るということです。之は、中国古典で言う「自得(じとく)」に通ずることです。仏教で言えば、自己の根源的な本性を徹見する「見性(けんしょう)」に繋がる心の働きです。
もう一つの心眼の働きは、自己以外の他を見ることです。夏目漱石の『吾輩は猫である』の中に「彼の腹の中のいきさつが手に取る様に吾輩の心眼に映ずる」とありますが、此の働きは相手の心を読むということです。
此の二つ目の心眼は一つ目の自得がある程度出来るようでなければ、他人の心あるいは様々な物事の真の姿などはっきりと見られるわけがないでしょう。
物事の本質を見抜くためには、五感すなわち我々の目、耳、鼻、舌、皮膚の五官を通じて得られる感覚を超えて見えない事物を見た

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