出版の質を守れる休刊でよい
杉田水脈衆院議員の性的少数者(LGBT)に対する発言をめぐり、批判、そのまた批判と、議論が沸騰し、それに加わった月刊誌「新潮45」に社の内外から批判が起き、佐藤社長は休刊を決めました。私は数年間、傘下の出版社に出向していましたので、佐藤社長の経営判断の面から考えてみました。
結論から言えば、アジビラ(政治的な扇動を目的としたアジテーション・ビラ)のような新聞広告を掲載する右翼系の雑誌を後追いするのは、文芸路線を軸にした新潮社にとっては肌合ざわりが悪い話で、ブランド・イメージを傷つけるだけでした。社長にとっては、赤字を抱えた新潮45を廃刊するいいチャンスがきたという思いでしょう。
出版不況が深刻化し、経営危機に瀕していた老舗の出版社を救済するために、読売新聞が買収し、グループ企業として傘下に収めました。新聞社の出版局は整理し、出版機能はここに集約し、中央公論とだぶりますから、新聞社として発行していた論壇誌は休刊(廃刊)にしました。
論壇誌といえば、世界(岩波)、中央公論(読売)、正論(産経)などですね。論壇誌は経営が苦しい中で、右寄り路線、歴史教科書問題を主軸にした正論が元気、左寄り路線を掲げてきた世界もどうにかやり繰りしていました。その正論も、最近はWiLL(ワック出版)、Hanada(飛鳥新社)に部数では大差をつけられていのではないですか。
1万60
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新潮45廃刊の機会到来と思ったか社長
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