今年2月にマーシャル諸島共和国において、「世界初の政府発行仮想通貨を法定通貨にする」という法案が可決されたそうであるが、この発表に対してIMFが、「仮想通貨を法定通貨にするのは考え直すべきだ」と提言したそうである。
そもそも、ビットコインなど仮想通貨と呼ばれているものは、果たして通貨と呼んで良いものなのかどうかをあらためて考察したみたい。
現在の通貨や貨幣と呼ばれるものについては、本質的な価値があるわけではない。通常は紙や金属の塊を加工したものである。貨幣や通貨のもとになったものとして、大昔は希少な貝殻、もしくは貴金属などが使われた。石そのものが通貨として使われた例も実際にあったようである。
貨幣そのものの価値というよりも、それを一定の価値のあるものとして流通させてきたのが、通貨の歴史となる。その信用の裏付けをするために、徳政令などで勝手に借金をなくしてしまいかねない王様の信用などではなく、徴税権などを担保にして発行されるようになった。
狭いところであれば、たとえば刑務所内でタバコが貨幣となったりすることはできる。目に見える仲間内だけであれば、約束事が成り立つ。しかし、不特定多数が使うとなれば、政府なりが一定のルールを設けて通貨に信用を寄与する。ただし、通貨発行権のおいしさのあまり、シニョリッジを得ようとして通貨価値というか信用を毀損してしまう例も歴史上、多くあった。
現在の通貨
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仮想通貨が通貨ではない理由
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