北海道大停電について「出力ではなく周波数が問題だ」というデマが流れているので、テクニカルな話だが、事故の経緯をくわしく見てみよう。苫東厚真の3基は一挙に止まったわけではなく、地震直後には1号機が動いていた。読売新聞によると
地震発生直後の6日午前3時8分頃、2号機と4号機が地震の揺れで緊急停止。1号機は稼働を続けていた。電力は需要と供給のバランスが崩れると、周波数が乱れて発電機が損傷する恐れがある。このため、北海道電は、失われた供給分(約130万キロ・ワット)に見合うように一部の地域を強制的に停電させて需要を落としバランスの維持を試みた。
つまり地震直後には大停電は起こっていなかったのだ。供給が不足すると周波数が低下して産業用機械が壊れるので、北海道のような50Hzの地域では発電機の周波数が47.5Hzを下回ると、自動的に解列(送電線から分離)される。それによって供給がさらに減るので、同時に周波数低下防止装置(UFR)が作動して負荷(超過需要)を遮断し、電力網のバランスを保つ。
しかし、地震発生から約17分後の午前3時25分頃に何らかの原因で1号機が緊急停止した。強制停電による需給バランスの維持が間に合わなかったとみられ、同時刻に知内、伊達、奈井江の三つの発電所が発電機の損傷を防ぐため自動的に停止。すべての発電所が停止するブラックアウトとなった。北海道電は、最大129万キロ・ワット
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