9月6日午前3時8分ごろに発生した北海道胆振東部地震は最大震度7を計測し、直接被害のみならず、苫東厚真発電所の緊急停止を契機とした北海道全土の停電を通した二次被害を招くことになり、我が国全土に衝撃を与えた。本稿では東日本大震災以後の北海道電力の経営環境の変化を簡単に見ていくことで、今回北海道エリア全域で停電が生じた背景を探るとともに、今後の北海道の電力供給体制をめぐる論点を考えていきたい。
北海道の電力供給の主軸を担うのは北電こと北海道電力であることは今更言うまでもないことであるが、東日本大震災以後、北電の経営環境は
① 新規制基準に適応するための原子力発電の長期停止、
② 再生可能エネルギーの固定価格買取制度(以下「FIT」)の開始、
③ 電力自由化による新規プレイヤーの参入、
という3つの意味で大きな変化を迎えることになった。この結果、北電の電力供給体制にどのような変化が生まれたかを簡単にまとめたのが以下の表である。
上の表は東日本大震災が止まる以前の2年間(2009fy、2010fy)と、直近2年間(2016fy,2017fy)の北電の電力供給基礎データの平均を比較したものである。詳細な説明は省くが北海道エリアの全発電量に対する北電の電源別のシェア、および、その変化をまとめたD、H、Gの列を見れば、北電の電力供給体制には2つの変化が生まれていることがわかる
コメント