[著者:Ziad Reslan]
人間の寿命とバッテリーの寿命を同じに考える人は少ないと思うが、戦争や飢餓から逃れてきた大勢の難民たちにとっては、わずか1パーセントのバッテリー残量が、適時に適切な情報を与えてくれる生命線となる。それがなければ、生き残ることはできない。
現代のスマートフォンは、移住を余儀なくされた人たちの旅の必需品となっている。Google Mapを頼りに中央アジアの山岳地帯を歩いたり、WhatsAppで故郷の家族とつながったり、スマートフォンは難民のあり方を変えた。しかし、良いことばかりではない。
電子1個も無駄にできない
東ヨーロッパでは、ハンガリーから入国を拒否された難民たちが、セルビア側の国境沿いに建ち並ぶ廃ビルに身を寄せている。生活必需品はボランティアが運んでいるが、その中には、自動車のバッテリーを再利用したスマートフォン用の充電器も含まれている。
ハンガリー国境から2キロと離れていない廃ビルの中では、難民たちがひとつの自動車用バッテリーを取り囲み、スマートフォンに充電している。彼らはみな、スマートフォンのバッテリーの大切さをよく認識している。コンセントが使えない場所で充電を行うための、ポータブル充電器を欲しがる人も大勢いる。彼らは常に、どのアプリがいちばん電気を食うかを報告し合ったり、使っていないときはアプリを閉じるように声を掛け合ったりしている。
パキ
コメント