書評「日本一社員が辞めない会社」
日本一社員が辞めない会社 [単行本(ソフトカバー)]
小池 修
ぱる出版
2018-03-09
帯にある「介護業界で定着率96%!」というコピーをみてまさかと思い手に取ったが、読み終わった今はなるほどなという納得感の残る良書。
世のオーナー企業の中には、トップから末端の一社員にいたるまで社員一丸となってパワフルに働いていたり、スピード感をもって同じベクトルで動いている企業がある。そして、そうなっている理由はたいてい「経営者にカリスマ性があるから」という一文で片付けられている。
本書はそうしたタイプの経営者自身が「そもそもカリスマとはなにか。どうやってそれを社内に生み出したのか」をわかりやすく解説したものだ。著者によれば、ある程度の有給休暇の取得や賃上げといった待遇改善は社員が辞めない会社づくりの第一歩だが、それだけではとても定着率を100%に近付けることは不可能だという。
では何が必要か。
会社の理念を確立する
経営理念があって、それに沿った社員の行動指針が明確になっている会社の場合は、会社の目指す方向も物事の判断基準も明確なため、社員が自分で物事を判断できるようになる。「ルーチンワークだけをやらされている」状態から自分で自律的に仕事を生み出していく側に回るわけで、会社にとっても個人にとっても理想的な状態と言っていい。
本書には理念やそれに基づいた行動指針の作り
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