販売部数より投手寿命の尊重を
今夏の甲子園の高校野球は第100回に当たり、過酷な高校野球のやり方を考え直す節目の年でした。無名に近い金足農(秋田)が決勝に進み、大会ナンバーワンの吉田投手が一人でマウンドを背負い、最後は体力の限界から降板した場面は、そのことを訴えています。
準決勝までの5試合をすべて完投、地方大会も含めれば10試合を1人で投げ抜き決勝に臨んだ吉田投手(NHKニュースより:編集部)
朝日新聞一面最上段に、「主催者/朝日新聞社・日本高野連」と書いてあります。朝日新聞社は自ら主催者の筆頭に位置づけていますから、甲子園野球の最高責任者です。毎回、大会事務局にも多数の記者、職員も派遣しているはずです。他者には厳しくあたり、反省を迫る朝日新聞ですから、今後の改革に期待しましょう。
野球のすそ野を広げ、高校野球のレベルアップに朝日が貢献してきたことは誰もが求めます。一方、販売部数の拡張の有力な手段であったことは間違いありません。酷暑の中で過酷なスケジュールが組まれ、選手寿命を痛めつけているのも事実です。そのことへの対策が二の次になっています。各紙が触れる「吉田投手が甲子園6試合で881球を投げた」は、無謀でこそあれ、礼賛すべきではありません。
朝日はスポーツ紙に早変わり
大阪桐蔭が春夏連覇で、優勝校となった最終日、朝日はどのような紙面を編成したでしょうか。1面「史上初、二度目の春
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甲子園球児の酷使を招く朝日新聞
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