明治の知の巨人・森信三先生いわく、『人生は唯一回かぎりの長距離マラソンである。随って途中でくたばったら駄目。そして「死」が決勝点ゆえ、「死」が見えだしたら、そこからイヨイヨひた走りに突っ走らねばならぬ』とのことであります。
また先生は、『我々人間は、各自が人生の決勝点に達するまでは「一日一日を真に充実して生きねばならぬ」のです。つまりマラソン競争だと、常に全力で走り抜くことであり、そのためには、現在自分は決勝点まで一体どれ程手前の処を走っているのかを、常に心の中に忘れないことが大切なのです』とも述べておられます。
人生というものにつき森先生は他にも色々な言い方をされていますが、マラソンということでは次の言葉も残されています――人生は、ただ一回のマラソン競走みたいなものです。勝敗の決は一生にただ一回人生の終わりにあるだけです。しかしマラソン競走と考えている間は、まだ心にゆるみが出ます。人生が、五十メートルの短距離競争だと分かってくると、人間も凄味が加わってくるんですが。
此の言に対しては様々な解釈があろうかと思いますが、要するに『今ここに生きる』(18年3月13日)姿勢を常に持つということでしょう。人間いつ死ぬか分からないわけですから、逆に言えば「いつ死んでもいいんだ」という位の気持ちで生きれば、マラソンなどと悠長なことは言っていられないのです。
人間は、死すべきものとして此の世に生
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人生は短距離競争
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