「New England Journal of Medicine」誌の8月2日号に「Sequencing of Circulating Cell-free DNA during Pregnancy」というタイトルの論文が掲載されていた。妊娠中の血液(血漿)中に含まれるDNAのシークエンス解析についての総説だ。妊婦の血液(血漿)には、胎児由来(胎盤由来)のDNAがわずかに紛れ込んでいる。この母体血の血漿からDNAを取り出して、シークエンス解析することによって、胎児の染色体レベルでの異常を診断していく方法である。以前は羊水を取り出して(今も半数くらいは羊水を利用していると推測される)、その中に含まれる胎児細胞を調べていたが、この母体血を利用する方法が一気に広がっている。
2017年後半までで、すでに推計4-6百万人の妊婦がこの診断を受けたとのことだ。第21番染色体、第18番染色体、第13番染色体トリソミーの検出率は、それぞれ、97%、93%、95%と非常に高い。誤診率は、0.1-0.3%であったと記載されていた。方法としては、得られたDNAを選別せずにシークエンスする方法と、特定の遺伝子領域だけをPCR法で増やしてからシークエンスする方法の二つが主に利用されている。最近では、染色体異常以外の一つの遺伝暗号の変異によって起こる遺伝性疾患に対しても応用され始めている。
擬陽性(陽性と間違っ
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数百万人に実施された母体血を利用した胎児の染色体異常診断
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