不平等な日米地位協定は改正すべきだ
山本朋広防衛副大臣(左)に提言を手渡す上田清司・全国知事会長(朝日新聞)
全国知事会が「米軍基地負担に関する提言」を全会一致で採択した。これは先日亡くなった沖縄県の翁長知事が発案し、研究会で2年かけて検討したものだという。その提言は次のようなものだ。
日米地位協定を抜本的に見直し、航空法や環境法令などの国内法を原則として米軍にも適用させることや、事件・事故時の自治体職員の迅速かつ円滑な立入の保障などを明記すること
米軍人等による事件・事故に対し、具体的かつ実効的な防止策を提示し、継続的に取組みを進める
飛行場周辺における航空機騒音規制措置については、周辺住民の実質的な負担軽減が図られるための運用を行う
基地の整理・縮小・返還を積極的に促進する
これ自体は当然の要求である。主権国家に他国の軍事基地があり、それが日本の航空法で規制できない状況は異常だ。それは丸山眞男が1952年に指摘した状況から、本質的には変わっていない。問題は、なぜそういう協定が結ばれたかということだ。
これは設問が逆で、丸山の指摘した通り地位協定あってこその安保条約なのだ。地位協定(当初は行政協定)こそ日米同盟のコアであり、安保条約はその原則を書いたものだ。行政協定はあまりにも不平等なので骨子だけを条約とし、協定は国会承認の対象としなかった。それは1960年に地位協定となったときも同じで、国会では審議さえされて
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