収益と売上予想に基いて投資の判断を行う人びとにとっては、バイオテックのIPOは魅力的なものではない。新しい市場参入者たちは、基本的に利益を挙げないどころか、その大部分は売上さえ立っていないのだ。株式公開は多くの場合、治験に向けての費用捻出のために行われるが、その先さらに何年にわたって赤字が続く。
Crunchbase Newsを含むベンチャーキャピタルニュースが、バイオテック企業のIPOに対して大きな扱いをしない理由の1つが、そうしたパターンによるものなのだろう。まあ、有名なインターネット企業が取引初日に躍進するところを見たり、思わぬ不調に沈むところを面白がる方が楽しいのだから仕方がない。
しかし、ハイテク企業へ固執する余り、私たちは大局を見逃している。実際には、ハイテク企業よりも、バイオテックとヘルスケアのスタートアップIPOの方がずっと多いのだ。例えば今年の第2四半期には、米国でベンチャー支援を受けたバイオテックとヘルスケア企業の少なくとも16社が株式を公開した。これに比べるとハイテクスタートアップの公開は11社に過ぎない。Crunchbaseのデータによれば、過去4年間のうち3年間で、バイオテック企業の公募件数はハイテク企業のIPO件数を上回っていた。
以下に述べる分析では、バイオテック公募のペースのスピードに追いついて、状況を評価し、いくつかの注目株に光を当ててみたいと思う
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