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シンガポールの夜景
6月12日にシンガポールでのトランプと金正恩の米朝首脳会談が終わり、トランプは返す刀で習近平の率いる中国に貿易戦争を仕掛けている。
米朝合意の共同声明では、トランプによる北朝鮮の安全保障と、北朝鮮による「朝鮮半島に於ける完全非核化に向けての努力」が約束され、その手順、スケジュール等具体的なことは今後の交渉事項とされた。
トランプの思惑は、米朝友好を成果の一つとして中間選挙を乗り切って、もし金正恩の核廃棄に進展が見えなければ軍事オプションを含む制裁強化へ豹変するというものだろう。一方、金正恩のメインシナリオは、仮初の「体制保証」の下、部分的核廃棄を緩慢に行い、それに応じて制裁解除を得つつトランプ引退(3年ないし7年後)を待って核保有国として国際的に認知を受ける事にあると思われる。(参照:米朝首脳会談 トランプの2段階戦略と金正恩の思惑)
しかし、今回の米朝首脳会談を通し金正恩は、上記メインシナリオと並行して、米中露3竦みによる薄氷のパワーバランスを実質的な体制保証として用い、核廃棄を進めて開発独裁へ転換する瀬踏みを始める風情も出てきた。その動機は、経済制裁が厳しく耐え難いという点、米国との良好な関係を持続できなければ中国の完全属国になってしまうという恐れ、シンガポールの夜景を見て感じた開発独裁による繁栄への希望といった所か。
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