中央銀行への不信が仮想通貨を育てる
アメリカでリバタリアンと呼ばれる人達の多くは、極めて小さな政府と金本位制への復帰を主張している。その根底にあるのは政府と中央銀行への不信である。これに対して主流派のエコノミストやウォール街の人々は、金本位制は金融政策の自由を束縛し、インフレやデフレの抑制、さらには景気対策も打てなくなるといって頭から相手にしない。
しかしそれでは、これまで金融政策はそんなに良いことをしてきたのだろうか?金融政策のせいでブラックマンデー、アジア通貨危機、ITバブル、サブプライム問題が生じたのではないか?
とりわけサブプライム問題は世界の金融システムを崩壊の淵に立たせたほど規模が大きくひどいものであった。これに対して当時の連邦準備制度理事会のバーナンキ議長はQEと呼ぶ超金融緩和策をとって、いわばお金の蛇口を全開にして銀行を救済し、金融システムの崩壊を回避した。
しかし、その副作用は大きく、商品価格の上昇に起因したアラブの春や世界中の株と不動産の異常な値上がり、そしてアメリカの家計の債務バブルの膨張など、今なお問題は解決するどころか、不気味に拡大し続けている。
いずれ何かのきっかけで、こうしたバブルの大崩壊が起こるであろうが、経済学者たちは、これだけ金融政策の副作用を目にしても反省しないのだろうか?
政治家が反省しないのは分かる。株価が上り、為替レートが下がることは、目先資産家や企業の支持を得ることとな
コメント