杉田水脈・衆議院議員(ツイッターより:編集部)
1.学術研究に対する国民の“誤解”を煽るだけの杉田水脈議員
自民党の杉田水脈衆議院議員が山口二郎氏の科研費を問題にしてから一か月以上が経過し、その間、私が尊敬する細谷雄一先生をして「日本で政治学を研究するということ」と題するコラムを書かせる等お手を煩わせ、更には、「正論」6月号に「大学政治偏向ランキング」なる記事が掲載されるに至りました。
もちろん、政治家が国家予算の使途を厳しく調査し問い質していくことは大事なことです。しかし、山口二郎氏に支給されてきた科研費を批判の対象にした杉田水脈議員のやり方は、豊中市の木村真市議が森友学園を「右翼カルト学園」と批判したのと大して変わらないレベルである、そう断じざるを得ません。
私が杉田議員の追及の仕方を批判するのは、彼女が国民感情に訴えることだけを優先し、科研費の中でも人文社会系の学問、特に政治学研究に対する国民の“誤解”を煽っているように見えるからです。細谷先生が「文系の学問は不要」「政治学は役に立たない」といった誤解に懸念を表明されている通りです。
2.社会科学への配分額が過大だというのは印象操作に過ぎない
まず、科研費(直接経費、新規+継続)は昨年度で総額1,584億円、うち人文社会系は全て合わせても210億円に過ぎません。医学等生物系に619億円、化学等理工系に490億円、情報学等総合系
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