十字フレームが誕生するまで
長野県茅野市のとある精肉店には、いつも馬肉があります。牛肉がなくても、豚肉がなくても、たいてい「特上」と「上」の2種類が並んでいます。しかもどちらも100グラム400円前後。東京ではなかなか手に入らない炒め用の馬肉ですが、やわらかくてクセがないので子どもでも喜んで食べます。そこで先日、友人一家が遊びに来るときに準備したのが「馬肉の行者にんにくしょうゆ炒め」(この春の超絶美味な山菜については、改めて)と「鹿肉のロースト」の、文字通り「馬鹿」肉ディナー。子どもたちも大盛り上がりでした。
前菜は大人向け
メインの「馬鹿」肉
さて、きょうはこのコラムでも繰り返しご紹介している「十字フレーム」が、どのような経緯で生まれたかをお話ししましょう。きっと、この枠組みを深く理解していただくご参考になるので。
世界的名著『知識創造企業』を著した野中郁次郎先生は、組織が知識創造を通じてイノベーションを起こすプロセスの中核に「二つの次元」を見いだしました。
出典:『知識創造企業』(野中郁次郎/竹内 弘高 著/梅本勝博 訳)東洋経済新報社
一つは知識創造の主体に関する存在論。企業内で新たな知識を創造する主体は、個人からグループ、グループから組織、組織から組織間へとダイナミックに移り変わるという事実。個人の着想がグループ内の議論で鍛えられ
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