森友学園への国有地売却をめぐる背任事件と決裁文書改ざん事件で、検察が、佐川宣寿前国税庁長官ら財務省関係者全員を不起訴にしたことに対して、野党やマスコミから、厳しい批判が行われている。国有地売却という国民の重大な利害に関わる行政行為についての決裁文書が300か所以上にもわたって改ざんされていたにもかかわらず、刑事責任が問えないという結論に国民の多くが納得できないのは当然であろう。
私は、決裁文書改ざん問題が明らかになって以降、国会での審議あるいは国政調査権の行使等に関して重要な事実を隠蔽したということであり、行政権の行使について内閣が国会に対して責任を負う議院内閣制・議会制民主主義の根幹を揺るがしかねない許すべからざる行為であるものの、今回の「書き換え」は基本的に「一部記述の削除」に過ぎず、一部の文言や交渉経緯等が削除されたことによって、国有地売却に関する決裁文書が、事実に反する内容の文書になったと認められなければ「虚偽公文書の作成」とは言えないとの理由で、虚偽公文書作成罪で起訴される可能性は高くないと言ってきた。
検察も、最初から、国の関係者を起訴しない方針だったはずだ。それでも告発を受理し、任意聴取を続けてきたのは、一方の当事者の籠池泰典被告ら森友学園側だけを対象にすると「国策捜査」との批判が巻き起こると予想したからだろう。
今回、検察が不起訴理由としているのは、背任罪については
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