非のない日大関係者が、前近代的な連帯責任を負う必要はまったくない!
先般、アマゾンプライムビデオで「アゲイン」という作品を観た。
高校野球の地方予選決勝の前日に、部員の一人が暴力事件を起こしたために決勝戦に出られなかった中高年の元野球部員たちが主役だ。彼らをもう一度集めたのは暴力事件を起こした部員の娘で神戸大学に通っている女子大生。OBたちのための大会であるらしい「マスターズ甲子園」への出場を呼びかける。
詳細を書くとネタバレになるが、私が関心を持ったのは、中高年になった部員たちがその女子大生と一緒に祝勝会をやっている場面だ。暴力事件を起こした部員の娘だとわかった途端、長老格の人物が当の女子大生に不満をぶちまけ当たり散らした。
一人の部員の個人的な暴力行為によって、連帯責任を負わされて辛い思いをした当人が、今度は娘に対して父親の連帯責任を追及する。連帯責任という前近代的な制度のせいで何の落ち度もない自分たちの夢が壊された人物。
その制度に犠牲者である当人が、父親とは別人格で何の落ち度もない娘を連帯責任で責める。
これは、誠に歪(いびつ)な意趣返しとしか思えない。
江戸時代の五人組制度は、近隣五戸に連帯責任を負わせて、相互に監視する目的等で作られた制度だ。
近代法は、個人単位の権利義務を認めるもので、強制的な連帯責任は(少なくとも法的には)存在しない。
仮に親子兄弟であっても、当人に非がない限り責任追及されることはあり得ない。
日大アメフト部の事件
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