限界集落とビジネス
宮崎県高千穂の山奥の奥。この連載63回目でも取り上げた40戸100人がひっそりと暮らす秋元集落の佐伯さんご夫妻から「新商品が出来たよ!」という知らせが届きました。なんでも「米ぬか」のお菓子だとか。ポチリと注文すれば数日で商品が手に届く現代って、ホント便利ですよね。さっそく頂きました。
キューブ状の固体をガリガリ、ポリポリ噛むと、ほのかな甘みが広がります。自然で素朴な味わい。たまごボーロよりだいぶ堅めですが、甘みの質は近いかな。なんとなくもうひと口、もうひと口と食べながら、開発のプロセスに思いを馳せました。
佐伯さん達が目指しているのは秋元のような限界集落(過疎化や高齢化によって、その存続が危ぶまれている村落)でも、ビジネスの力で活性化を図れるということです。商品を通じて郷土の良さを広めたいという明確な願いがあります。
その目的のために開発された最初のヒット商品が「ちほまろ」。集落内の棚田で丁寧に栽培したお米と諸塚山水源の湧水を原料につくった甘酒を、さらに乳酸菌でダブル発酵させた健康飲料です。麓の高千穂まで30分、延岡まで60分、宮崎市までは2時間近くかかる環境に負けず、地道に営業開拓を続けた結果、いまでは取引先が200を超え、年商も1億円に迫っているのだとか。
十字フレームを使ってまとめるとこんな感じ。「棚田の健康飲料」で「便利な
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