江戸時代に水野南北という思想家がいた。思想家と呼ぶことに違和感を持つ人もいるかもしれない。南北は「相」を見る名人で、諸国で人々の「相」を見て歩いた人物である。相当な人気があったようで、門弟は1000名を超えたという。
この水野南北が『修身録』という書物を遺した。一般的な道徳を説いた本ではなく、「食」について記した著作である。この『修身録』を丹念に読み込んで、解説したのが若井朝彦氏の『江戸時代の小食主義』(花伝社)である。
江戸時代の小食主義――水野南北『修身録』を読み解く [単行本(ソフトカバー)]
若井 朝彦
花伝社
2018-02-02
読んでいて、面白いと思った部分を抜粋してみる。
○食を慎むと運気が上昇する
「食は心身を養う根本である。だから食を慎んでおのれを養う時は、五臓は健やかになり腹中も整う。されば心身も健やかであるから、気というものが自然と開いてくる。
気が開く時には、運もそれにつれて開く。運気という言葉があるように、運は気に随うものなのだ。
だが食を過ごす時には、腹中が悪しくなって、気もおのずから重くなる。気が重ければ、気色は滞って動かない。ゆえに血色も開いては来ない。
また血色が開かねば、運が開くこともない。これが道理である。食を慎む時は、まず血色がよろしくなり、運もそれにつれて開くというわけだ。
まず三年、真剣に食を慎んでみよ。これでもし運気が開かなかっ
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書評:若井朝彦『江戸時代の小食主義』
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