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【映画評】ワンダーストラック

経済ニュース
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1977年のミネソタ。事故で母を亡くした12歳のベンは、母の遺品から、会ったことのない父の手がかりを見つける。それは「ワンダーストラック」というニューヨーク自然誌博物館の本で、本に挟まっていた書店のしおりを頼りに、ベンは父のことを探し始める。1927年のニュージャージー。厳格な父に育てられたローズは生まれた時から耳が聞こえず、孤独を抱えていた。ある日、ふたりはそれぞれの思いを胸にニューヨークへと向かうが…。
時代も場所も異なるところで生きる少年と少女が不思議な運命で結びつく壮大でミステリアスな愛の物語「ワンダーストラック」。1977年のミネソタのベンは、会ったことがない父を探すうちに落雷に遭い、その影響で耳が聞こえなくなってしまう。1927年のニュージャージーのローズは、生まれた時から聴覚に障害があった。共に音を失くしているという設定は、脚本の上手さのおかげで、最小限のせりふと忘れがたい映像美を生み出し、観客を魅了する。とりわけローズの幼い頃を無声映画で表現した描写は効果的だ。ベンとローズは、不思議な絆に導かれ旅をすることになるが、行く先々で驚きと幸せに出会うことになる。
原作は「ヒューゴの不思議な発明」で知られるブライアン・セルズニック。ファンタジックな作風だけにトッド・ヘインズ監督との組み合わせは正直、意外だ

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