広告出演における契約料って?
この連載では、書籍『広告法』の中から、特に実務的にフォーカスしたい点を取り上げて、Q&A形式で解説していきます。
今回は、広告出演契約を中心に、広告に肖像写真・動画や氏名など(以下「肖像など」といいます)を利用するケースの法律関係について取り上げます。
Q.肖像権法というような法律は、日本にはないとも聞きました。
なぜ、そのような法律がないのに、広告出演契約にあたってタレントに対して契約料を支払わないといけないのでしょうか? 出演料ということであれば、出演行為という役務提供の対価なので理解できるのですが、契約料についてはよく分かりません。広告出演契約は、広告に出演してもらいたい広告主と、対価をもらえれば出演してもよいタレントとの間の合意によって成立するものです。出演の条件として契約料の支払についても両者の合意がなされた場合には、その合意に基づいて支払われることになります。したがって、Qの「なぜ支払わないといけないのか」という問いには、「支払う合意をしたから」ということになります。
では、なぜ、広告出演契約においては、出演行為の対価とは別に契約料を支払う合意をすることが多いのか、という側面から検討をしたいと思います。
A. 確かに肖像権法のような法律はありませんが、自分の肖像などを無断で利用された際に、人は、利用を差し止めたり損害賠償
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