前編では、オンラインのコミュニケーション媒体を用いた顧客とのエンゲージメントや絆作りと、技術革新に伴って変容するコミュニケーションスタイルについてお話いただきました。後編では、田口さんの転職経験を踏まえての視点の変化や、サンリオのライセンスビジネスなど、より多角的な視点でブランド構築の秘訣を伺います。
――コンサルなどパートナーとしての立ち位置から事業会社へ移った際に違和感などはありましたか。
最初はかなりありました。IMJ時代にサンリオのWebサイト構築を支援させていただいた際にある程度サンリオのことを理解したつもりでいましたが、いざ入社してみると、どれだけ自分の理解が浅かったのかを思い知らされましたね。「分かったつもり」の危うさに気づけたことは個人的にとても大きな経験でした。特に事業会社固有の文化、社員の価値観や思考回路などは、外部からは把握が困難な部分です。お客様と良好なパートナーシップを築いていてさえも、外部からのアプローチだけでは伝わらないことがたくさんあるのだと実感しました。
私個人の話になりますが、同じ物事をコンサルという外部的な立ち位置と事業会社社員という内部的な立ち位置の両側から見る機会を得られたのはとても貴重な経験でした。特にサンリオの場合、扱っているものがキャラクターというプロパティであり、明確に言語化しきれない曖昧な表現や暗黙的な価値観が普通に社内で使わ
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