【映画評】ダウンサイズ
Downsizing/ [Blu-ray] [Import]
近未来。爆発的な人口増加で食料・資源不足が深刻になり、人間を縮小することで問題を解決する人類縮小技術が実用化された。片田舎に住む平凡な男ポールは、身長を13cmにすれば資産は82倍、レジャーランドと呼ばれる特別エリアで豪邸に住めると知って、妻オードリーと共に夫婦で小さくなることを選択する。さまざまな準備を経て、晴れて14分の1のサイズになったポールだったが、そこで思いもよらない事実を知らされる…。
人類縮小計画に参加した男が直面する思いがけないドラマを描く「ダウンサイズ」。人間を小さくすることで、食糧・資源不足や住宅問題、経済格差などの問題を解決するというのは、突拍子もないようでいて妙に説得力がある。さらに人を縮小するにあたり、全身の毛を剃ったり、歯などの金属の詰め物を取り除いたりの手順も細かくて、これまたリアル。小さくなってからの暮らしもまた詳細に描かれていて面白い。身長13cmになったポールは、予想外の事態によって孤独に暮らすことになるが、そこで出会うのは、怪しげな隣人や、過激なベトナム人女性活動家(現在は清掃員)らだ。彼らとの出会いが、ポールを思いもよらない運命へと導いていく。
アレクサンダー・ペイン監督は、「サイドウェイ」や「ネブラスカ」などで、市井の人々のささやかだがかけがえのない幸福を丁寧に描いてきた。本作
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