【映画評】ロープ 戦場の生命線
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1995年、停戦後間もないバルカン半島。ある村で井戸に死体が投げ込まれ、生活用水が汚染される事態が発生する。国籍も年齢もバラバラの男女5人からなる国際援助活動“国境なき水と衛生管理団”は、水を浄化するためにまずは死体を引き上げようとするが、古いロープは運悪く切れてしまう。団のリーダーのマンブルゥと仲間たちは、やむを得ず、武装集団や地雷原などの危険地帯をロープを求めてさ迷うことに。そんな中、幼い少年二コラが自分が住む村にロープがあると言い、彼らと行動を共にするが、そこには衝撃の事実が待っていた…。
90年代の紛争地帯で人々を救うために活動している国際援助活動家たちの奮闘を描くドラマ「ロープ 戦場の生命線」。原作は“国境なき医師団”に所属する医師でスペイン人作家パウラ・ファリスの小説「雨を降らせて」だ。ボスニア紛争の内戦の実態を描く映画は秀作「ノー・マンズ・ランズ」など、いくつかあるが、本作は兵士や戦闘の映画ではない。地味だが大切な活動をコツコツと続ける名もなき人々の物語だ。とはいえ、彼らの活動の実態は、複雑な国際情勢の中、あまりにも困難で、やってもやっても報われない徒労感が漂っている。その悲壮感とバカバカしさを、ドライなユーモアで受け流し、自分たちが出来ること(この場合、ロープを探して村に戻ること)に専念するのだ。本
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