昨年11月、創業者と現経営陣が経営権を巡って争ったJPホールディングス(JPHD)のお家騒動が今年に入り、さらに複雑怪奇な様相をみせている。筆頭株主でもある創業者と現経営陣側が対立した臨時株主総会の折は、アゴラでも取り上げたが、創業者らのセクハラ醜聞も飛び出して週刊誌沙汰となった末に現経営陣が辛うじて委任状争奪戦を制した。無料で記事が読める大手メディアではあまり取り上げられていないのだが、事態がさらなるカオスになり始めたのは、年が明けてからのことだ。
“出来立て”の投資会社がいきなり筆頭株主に
それまで筆頭株主だった創業者が、投資会社マザーケアジャパン(本社・東京都渋谷区)に持ち株の大半を譲渡していたことが明らかになった。一見すると、創業者が経営復帰をあきらめて投資ファンドに譲ったようにも思えるが、奇怪なのは、この新たな筆頭株主となった同社と、同社に資金提供したグループの投資会社未来キャピタルは、ともに昨年12月に設立されたばかり。いずれも代表を務める坂井徹氏の経歴について謎も多く、JPHD側は相当警戒していたはずだ。
常識的に考えても、お家騒動中の一部上場企業の筆頭株主に産声をあげたばかりのファンドが突然躍り出たわけだから、波紋を呼ぶのは必然だろう。実際、証券業界や経済メディア関係者の間では、未来キャピタルや坂井氏の正体や、JPHD株買収の意図について様々な憶測が取りざたされてい
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