憲法改正、護憲の前に、憲法についての知識を!
日本国憲法について、改正すべきなのか、一字一句そのままに死守すべきなのか。大きな政治的テーマなのだが、こういう問題に関して、民主主義国家の弱点が現れることが多い。集団的自衛権の行使容認を巡る議論のときを思い返してほしい。拙著『「リベラル」という病』でも詳述したが、「集団的自衛権の行使容認によって徴兵制がやってくる」等々の極端な意見が飛び交っていた。だが、実際にこの問題について理解している国民は少なかった。
専門家同士が意見をたたかわせるのだが、国民はあまり関心がなく、繰り返し宣伝される極端な見解に影響を受けてしまうという現象である。冷静になって考えてみれば、「個別的自衛権」、「集団的自衛権」、「集団安全保障」の区別がつかない国民が多い中で極端な議論だけが先行している印象があった。テレビ、新聞でもあまりに極端な意見が多かった。
日本国憲法の改正問題についても同じことが言えそうだ。「九条を変更すれば、日本は戦争する国になる!」と大騒ぎしている人がいるが、この人のいう「戦争」とはいったい何のことなのだろう? 日本を攻め込んでくる国があるとすれば、現在の憲法九条を有しながらも、日本の自衛隊は祖国を守るために戦う。その意味で、改憲によって「戦わない国」から「戦う国」へと変化するなどという議論は、そもそも極端な議論以外のなにものでもないのだ。
そもそも日本国憲法はどのような状況で作られ、日本
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