「不動産テック」は不動産取引の何を変えるのか
いま、不動産業界は「ガラパゴス状態」らしい。
確かに不動産業界では未だにFAXが大活躍しているし、いざ取引となれば売主買主が署名し印鑑を捺す「紙」の量は膨大だ。
また、不動産売買における「決済」はさらにアナログに見えるかも知れない。
一般的に不動産の代金を支払う「決済」は銀行で行われる場合が多い。
これは、買主が不動産代金の一部或いは全部を銀行から借り入れして支払う場合が多いのと同時に、その取引額が高額であるため代金が現金だけではなく振込や自己宛小切手で支払われるためだ。
その決済の場には売主、買主、登記を委任する司法書士、介在する不動産業者等が一堂に会し、様々な書類を持ち寄り、さらにここでの各書類への署名捺印をもって初めて不動産代金の支払いがなされる。
フィンテックが目まぐるしく進化を遂げるなか、この決済方法はまさしく「アナログ」である。
既述した決済方法のみならず、これまで不動産取引において問題だとされてきたのは売物件や取引事例等の情報が「不透明」である点だ。
いま注目されている不動産テックのひとつとして、販売物件の価格や成約価格(取引された価格)をオープンデータ化しようとする動きがある。いわゆる「価格の可視化」だ。これが実際の取引や査定時の指針に役立つことは分かるが、民間企業がこれを行う場合、その信頼性を高めるための方法論や、どこまで個人のプライバシーに踏み込めるかが課題に
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