『島耕作の事件簿』が期待以上だった件
私は島耕作が大好きな人材である。全部、持っている。ただ、最近は「安売りしていないか」と思えるような、雑な外伝的作品や、コラボ企画も乱発されており、ファンとして胸を痛めていた。だいぶ回復し面白くなってきたものの、何より「本編」の会長編、ヤング編である「学生・就活編」のテコ入れこそ必要なのではないかと思っていた。
島耕作がコラボ作品、スピンオフ作品として刑事編をやると聞いて、嫌な予感がしていた。これはダメコラボなのではないかと。
島耕作の事件簿 (モーニングコミックス) [Kindle版]
樹林伸
講談社
2018-01-23
しかし、リリースされた『島耕作の事件簿』はそんな嫌な予感を吹き飛ばすほどの佳作だった。原作は樹林伸が担当。説明不要な重鎮だ。そう、『金田一少年の事件簿』や『神の雫』など、数々の名作、ヒット作の原作を担当しているあの樹林伸氏である。あとがきによると、『島耕作』シリーズの弘兼憲史氏とはワイン仲間だそうだ。
これは良コラボだ。舞台を課長時代のバブル期1990年に設定。島耕作の黄金期の一つと言っていいだろう。ネタバレするので、詳細は書かないが、再び注目を浴びつつあるバブル期を舞台に、ビジネス色あり、サスペンス色あり、少しだけエロありと、エンタメ性抜群の作品になっている。
いままでの島耕作コラボには、大安売り感があったのだが、この作品は島耕作のキャラが活きてい
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