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挫折した政治改革:『平成デモクラシー史』

経済ニュース

平成デモクラシー史 (ちくま新書)
清水 真人
筑摩書房
★★★★☆

安倍政権は前人未踏の長期政権になりそうだが、これは本書も指摘するように「平成デモクラシー」の必然的な帰結である。それは1990年代から行われた小選挙区制や官邸機能の強化などの一連の政治改革で、イギリス型の二大政党を実現することが目的だったが、その結果は皮肉なことに安倍「一強」政権だった。
改革の設計図を描いたのは小沢一郎氏だった。『日本改造計画』には、その後の政治改革の構想がほとんど示されていたが、これを書いたとき自民党の最高幹部だった彼が、自民党を離党したのが間違いの始まりだった。もともと社会党のような万年野党をつぶすためだった政治改革を、社会党との連立政権でやったため中途半端になり、社会党は政権から逃亡して自民党との連立に走り、非自民連立政権は短命に終わった。
もう一つの官邸機能の強化に着手したのは橋本政権だったが、それを実現したのは小泉政権だった。しかしこれは多分に小泉の個性に依存した「個人商店」だったので、それを継承するはずの安倍第1次内閣は短期間で崩壊した。第2次内閣以降の安倍首相は、そのときの教訓を胸に刻んでいるはずだ。それは憲法改正や「戦後レジームからの脱却」などという観念論で政治は動かない、ということだ。
自民党支配を支えてきたのは政策ではなく、族議員や官僚機構を通じた利益分配である。そ

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