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がんプレシジョン医療:入門③

次に、がんの遺伝的要因について話を進めたい。日本では、十分な遺伝学教育、特に病気と遺伝子の関連性に関する教育、が欠けているため、がんの発症に決定的な役割を果たす因子(決定因子)とがん発症の確率をわずがに高める危険因子が混同されることが多い。専門家と称する人たちでも、この点が識別されていないことが多い。まず、決定因子の話から進める。
特定の遺伝子に変異があると非常に高い確率でがんを発症する疾患(決定因子による遺伝性がん)としては下記の例などが挙げられる。これらの原因遺伝子に異常があっても、家族性大腸腺腫症(ほほ100%の確率で大腸に多数のポリープが生ずる)を除いて100%の確率でがんを発症するわけではない。比較的確率が高いBRCA1/BRCA2異常の場合でも、生きている間に乳がん・卵巣がんを発症する割合(生涯リスク)は60-80%と推定されている。Cowden病の場合などは不明な点も多く、がんが発症する生涯リスクは10%程度と低い。ただし、75%前後が乳腺の良性疾患と診断されるとのことだ。
これらの遺伝子が見つかり始めた25年ほど前、「将来がんに罹ると診断するなどおぞましいことだ」と無知なコメントを発していたメディアが少なくなかった。医学・科学を理解しない、一面的かつ感傷的なコメントであった。そのような姿勢が今日に至るまで継続されていて、それが日本の医療のガラパゴス化を引き起こす一因

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