オーストリアのローマ・カトリック教会の精神的支柱、シュテファン大聖堂(2014年5月5日、ウィーンで撮影)
アルプスの小国オーストリアの主要宗派ローマ・カトリック教会は9日、昨年末現在の信者数を公表した。それによると、信者総数は約511万人、前年比で5万3510人減、2.7%減だった。この結果、全人口に占めるカトリック信者数は58.3%となった。
参考までに、第2次世界大戦後の1951年、カトリック信者の割合は89.0%だった。ほぼ全ての国民がカトリック信者だったわけだ。それが2001年になると73.6%に減少し、10年後の11年は64.3%と、年平均人口の1%弱の割合で信者が急減していった。そして16年には58.8%まで減少したわけだ。
この減少傾向が続けば、カトリック教国オーストリアで10年後、信者数は人口比で50%を割ることはほぼ確実と予想されている。「教会の停滞」、「教会の危機」と叫ばれて久しいが、信者数の統計を見る限りでは、それを裏付けている。教会は年々、縮小しているのだ。
オーストリア教会が特別、教会離れが多いというわけではない。欧州のキリスト教会では程度の差こそあれ、同じ現象が見られる。特に、聖職者の未成年者への性的虐待事件が発覚し、教会関係者がそれを隠蔽してきたことが明らかになると、教会に背を向ける信者は急増していった。アイルランド教会の「聖職者の未成年者への性的
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