私がCESで自動車メーカーのインフォテインメントシステムやマルチメディアシステムのアップデートに注目することは稀だ。通常は自動運転、電動化、モビリティサービスなどに興味を持っていかれているからだ。しかし今年、メルセデス・ベンツは、このショーで最も興味深い発表を行った。新しいMBUXスマートマルチメディアシステムと車内音声対応アシスタントだ。
MBUXは、ここ10年ほど自動車メーカーたちが消費者に売り込んできた、非力で存在感の薄い音声入力システムではない。そうではなく、Nvidiaの強力なGPUテクノロジに基づいて構築された、学習型のスマートなコネクテッドプラットフォームである。私が車内インフォテインメントシステムを使って、真に楽しい気持ちを感じたのは、おそらくこれが初めてだ。これまでは利用者体験の尺度からは、せいぜい「ダメ」から「まあまあ」程度だったのだ。
その理由の一部は、システムを駆動するコンピューターが、高フレームレートの画像を、高解像度のままスクリーン上に表示できるところにもある。あまりにも長い間、自動車のインフォテインメントシステムは、出力を力不足の安価なチップに頼り、自動車メーカーで働くソフトウェア開発者たちに、本当はアラームクロックを走らせるべきではないシシリコンチップの上に、気乗りのしない仕事の結果を押し込む努力をさせていた。走行中に利用する、重要なアプリや情報シス
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