作詞:谷村新司、作曲:堀内孝雄のヒット曲「遠くで汽笛を聞きながら」の歌詞の中に、「何もいいことがなかった街」という個所がある。その歌詞を初めて聴いた時、正直言って「なんと寂しい表現だ」と感じたことを思い出す。少なくとも、前国連事務総長、元韓国外相の潘基文氏にとって音楽の都ウィーンは「多くいいことがあった街」であることは間違いないだろう。
▲「グローバル市民のための潘基文センター」設立記者会見、左・潘基文氏、中央・クルツ首相、右・オーストリア前大統領のフィッシャー氏(2018年1月3日、オーストリア連邦首相府内で)
なぜ今、潘基文氏の名前が突然飛び出したのかというと、同氏の名前を付けた「グローバル市民のための潘基文センター」(NGO)が3日、ウィーンで設立され、その記者会見がオーストリア連邦首相府で開かれたからだ。
国連事務総長(任期2007~2016年)を退職後、同氏の名前は一時、韓国大統領選の有力候補としてメディアを賑わせたが、その後は同氏の言動は不通となった。その同氏がウィ―ンに姿を現したのだ。久しぶりに見る潘基文氏はやはり年を取った感はあるが、いつものように笑顔を振りまいていた。
潘氏にとってオーストリア、その首都ウィーンは第2の故郷だ。これは潘氏自身の言葉だ。本人はウィ―ンを訪問する度、「私の第2の故郷はオーストリアです」と、外交辞令もあるだろうが言ってきた。実際、潘氏にと
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潘基文氏の退職後のライフワーク
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