今年はヒトラー・ナチス政権のオーストリア併合(Anschluss)80年を迎える。バン・デア・ベレン大統領は1日の新年の演説で「今年はヒトラー・ナチス政権のわが国併合80年目を迎える年だ。わが国はヒトラーの犠牲国であると共に、加害国だったという事実を単に記憶するだけではなく、心の中でしっかりと留めておかなければならない」と述べ、「人種主義、反ユダヤ主義、そして破壊的な民族主義を再び甦らせてはならない」と強調している。
▲「新年の演説」をするバン・デア・ベレン大統領(2018年1月1日、大統領府公式サイトから)
アドルフ・ヒトラーが率いるナチス政権は1938年3月13日、母国オーストリアに戻り、首都ウィ―ンの英雄広場で凱旋演説をした。同広場には約20万人の市民が集まり、ヒトラーの凱旋を大歓迎した。その後の展開は歴史がはっきりと物語っている。
オーストリアはドイツに併合され、ウィーン市は第3帝国の第2首都となり、ナチス・ドイツの戦争犯罪に深く関与し、欧州を次々と支配していった。同時に、欧州に住むユダヤ人600万人を強制収容所に送り、そこで殺害していった。蛮行は旧ソ連赤軍によって占領されるまで続いた。その後、カール・レンナーを首班とした臨時政権が発足し、第2共和国の建国が宣言された。
オーストリアは戦後、「モスクワ宣言」を拠り所として久しくヒトラーの戦争犯罪の被害者と主張してきたが、クル
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