朝日新聞社の小川栄太郎氏と飛鳥新社に対する訴訟だが、この本そのものが問題なのではなく、飛鳥新社が発行する月刊Hanadaの一連の記事での朝日新聞批判や、小川氏が創設した「視聴者の会」というテレビの中立性維持を呼びかける会の活動が怖くて、それを抑えにかかったのだと思う。
驚きは5,000万円という損害賠償額である。これは、名誉を回復したいということが目的でなく、小川氏個人や飛鳥新社そのものを抹消すること、さらには、個人や弱小出版社などが、朝日新聞を始めとするマスメディア集団を批判すること自体をやめさせようとすることが狙いとしか合理的には理解できないのである。
少なくとも日本社会では、普通の生活を送っている限り訴訟されることは少ない。しょっちゅう裁判を抱えている人にとってはそんな苦痛でないかもしれないが、訴えると言われたらびびってしまう。また、経済力がなければ最終的には勝てても、さしあたっての裁判費用は耐えがたい。
それを見越して、社会的にみて比較強者が、弱者を相手に恫喝・発言封じなどの威圧的、恫喝的あるいは報復的な目的で 起こすものをスラップ訴訟という。あるいは、リーガルハラスメントという言い方も出てきている。
普通は公権力や大企業、富豪がするものだが、マスメディアだって大企業だ。あるいは、権力をもたなくても、法曹関係者などでも同じで、格闘技の選手が腕力勝負をちらつかせるのと同じ事で
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