世界の新しい常識「シンギュラリティー」とは?(前編)
シンギュラリティーとは「技術的特異点」のことを指します。人工知能が人間を超えることがセンセーショナルに注目されていますが、実はそれは一つの要素にすぎません。その本質は、世界を変える破壊的イノベーションを引き起こす「エクスポネンシャル・シンキング」(指数関数的な思考)です。この考え方がシリコンバレーを中心に支持を獲得することで、膨大な投資と優秀な頭脳が掛け合わされ、グローバルな規模で変革を起こす原動力になっています。早くから、この動向をキャッチしていた電通ライブの日塔史氏の呼び掛けで、日本中からトップクラスの「シンギュラリティー論者」が結集しました。日本企業がグローバルに羽ばたくための方策を徹底的に議論します。
無視できなくなってきた「シンギュラリティー」
日塔:「シンギュラリティー」と言うと、多くの人がレイ・カーツワイル氏によって2005年に出版された『シンギュラリティは近い』(NHK出版)を思い浮かべるでしょう。この本は、「人間は死ななくなる」「宇宙が意思を持つようになる」など、衝撃的な内容で私自身は“ドン引き”してしまいました。
ところが、NASAの敷地内にシンギュラリティー大学が開設され、TEDでシンギュラリティーをテーマにするプレゼンテーションが行われ、Xプライズ財団とシンギュラリティー大学が企業向けプログラムを提供する
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