前回のブログで山尾議員の改憲案について書いた際、「憲法裁判所」設置の改憲案は危険ではないか、と書いた。
英米法思想の強い影響を受けた日本国憲法体制で、アメリカ型の付随的違憲審査制をとっているのが、現在の日本の制度である。憲法裁判所制度は、ドイツやフランスを代表とするヨーロッパ大陸諸国で採用されているもので、判例法重視の英米法の伝統にはなじまない。拙著『集団的自衛権の思想史』や『ほんとうの憲法』で論じたが、本当の日本国憲法典はアメリカの影響が強いものだが、その解釈方法を独占的に論じてる日本の憲法学ではドイツ国法学的な伝統すら根強い。憲法典と憲法学の間のギャップは、憲法裁判所の導入によって、劇的なまでに白日の下にさらされることになるだろう。
独裁的な権限を持ちうる憲法裁判所の設置は、国政を混乱に陥れいれる危険性をはらむ。導入するのであれば、十分な議論と準備と管理が必要だ。たとえば裁判官の選定にあたっては、万が一にも、「憲法学者だから」、といったことを理由にした安直なやり方があってはならない。客観的な評価に耐えうる業績を持ち、人格的に高潔であることが条件になるのは当然だが、さらに、政治的偏向がない人物であることも、極めて重要な要件となる。
枝野氏と長谷部教授のダブスタ:枝野氏指導の憲法学者小嶋氏の補足
各裁判官推薦者の能力・人格・政治的偏向などを徹底的に審議検討し、議決を経て正式候補を認
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